ワクチンの基礎知識と作り方

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今回はワクチンの歴史や作り方を記事にしていきたいと思います。

医学用語の由来

現代日本の医学用語は何語か分からないトンチ外国語の塊なので国外に出るとウイルスとかワクチンと伝えても通じません。

ワクチンは英語でvaccineと書きますが日本ではヴァクチンなんて呼びません。なぜならドイツ語のVakzinが由来だからです。

さらにドイツ語でググってみると現代のドイツ語でワクチンはimpfstoffでVakzinという言葉は使われていません。

つまりワクチンはドイツでは「は?」ってなるわけです。

ウイルス「virus」ビールスと読んでいましたがこれも謎の日本語です。

そして外科医もメスと呼んでますがそれは世界中で日本だけです。

なので日本の医師は海外留学すると医大で勉強したポンコツ語が通じなく苦労してしまうんですね。

ウイルス血清

フィクションで疫病から生き残った人間の血を輸血すると助かったり血清を作るネタは「感染列島」「ジョジョの奇妙な冒険」

の定番でした。鬼滅の刃のクライマックスシーンで鬼になったタンジロウが人間に戻れたのは豆子の血と珠世さんが作った人間に戻す薬の注射の両方が効いたからではないかと劇中で騒がれてました。しかし血清は経口摂取できず注射でしか使えません。なので効いたのは珠世さんの薬でしょう。

とはいえ、感染から生き延びた人間の血が薬になるウイルス血清はフィクションではありません。1918~1920年に流行した「スペイン風邪」のパンデミック。この時に有効な治療方法として注目したのが回復した患者から新しい感染者に輸血する治療法でした。

当時は免疫の仕組みについてよくわからなかったうえに輸血が実用化して日の浅かった技術だったこともあり輸血が万能治療法に思われていました。ジフテリアと破傷風の血清療法が成功していたことからスペイン風邪の重症から回復した患者が入院費を払うために生きた薬として売られることになりました。ドナーとレシピエントを並べて右から左へ輸血する「枕元輸血」と呼ばれる方法だったので隣に売られた人が寝ている嫌な状況です。。。現代基準で見ればリスク山盛りの危険な手法ですが当時は唯一の友好的な治療法とも言えたと思います。

さて、現代の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に関しても現時点の究極治療薬として重症から回復した人から採血し血液製剤を作り輸血すれば抗体移植という形で予防薬or治療薬になる可能性はあります。この方法は2020年時点でエボラ出血熱にたいして有効な唯一の治療法であり多くの感染症の治療として研究が続けられています。

フィクションでは抗体を持つ人間が1人または小数しかいないケースが多く抗体を持つ人間から献血で輸血したり血清を作ったら量が足りすぎるのではとツッコミがあるかもしれません。

解決策としては1984年にジョルジュ・J・F・ケーラーとセーサル・ミルスタインがノーベル生理学・医学賞を受賞した「モノクローナル抗体」の作成方法を使い増やすのです。ヒトモノクローナル抗体が単離されて培養できるようになれば無限に増やせることでしょう。

抗体を持つ人が亡くなっても培養が完成すれば永久に作り続けることが可能です。かなり高度な設備と専門の科学者も必要で献血から作る血清より難易度がけた違いに高くなりますけど「エボラ出血熱」のモノクローナル抗体も研究開発され2009年にドイツの最初の臨床試験でうまくいかなかったので10年たっても完成していないことから難易度が高いことがわかります。

なので新型コロナウイルス感染症のモノクローナル抗体もすぐには期待はできないことでしょう。

 新型コロナウイルスの血清について現時点では未知数ですが数年以内には献血から作られた血清ができるかもしれません。

問題は血清は製造コストが極めて高く大量生産しても安くならず高価な薬になることです。仮に血清を成人に一日に体重1kgあたり4mLを5日間点滴静注すると仮定します。

4mL×体重80kg×5日=1,600mL

実在する献血ヴェノグロブリンIH1の価格を参考に、200mLの薬価が15万円と仮定した場合は薬代だけで120万円です。日本は高額療養費制度があるので患者自己負担は低くて済みますが新型コロナの血清が誕生した場合は需要の大きさと供給量の少なさから価格がどこまであがるやら見当は付きませんね。

ワクチンの材料は卵

新型コロナのワクチンの登場が切望され世界中の製薬会社が開発を進めています。ここからはワクチンがどうやって作られるのか、必要な道具は何か解説します。

ワクチンを作るために必要な材料は鶏の卵です。スーパーで売ってる夢精卵ではだめで有精卵でなければなりません。1人分を作るのに卵一つが必要なので日本人1億人分作るには一億個の卵が必要です。国民一人が年間330個食べてると言われてるので供給量はかなり余裕といえますがそれらはすべて夢精卵なので有精卵を用意します。そのためには周囲のメス全てと交尾して無限に種付けできる絶倫のオスが必要になります。

有精卵を生産するのに必要とされている基準はメス100羽に対してオス5羽以上となっているので20対1弱のハーレムです・・・笑

アメリカにはワクチンの有精卵を生産するための秘密養鶏場があるなんて言われていますが事実かどうかはわかりません。以上の理由から鶏が先に伝染病で全滅すると人間もワクチンが作れなくなって後追いで滅亡してしまいます。

遠心分離機の歴史

ワクチンを作るために最初に対象となるウイルスを手に入れなければなりません。感染者の血液などを遠心分離器にかけてほかの雑菌や細胞などを取り除きウイルスだけをウイルスだけを分離するのですがこれを実現する遠心分離機の要求スペックは極めて高く普通の遠心分離機よりもハイスペックな超遠心機(ultra centrifuge)が必要です。最高回転速度:毎分40,000回転、最大遠心加速度:118,000G以上となります。

この超遠心機を開発したスウェーデンの科学者テオドール・スヴェドベリは1926年にノーベル化学賞を受賞しました。そして遠心分離で重要な沈降係数の単位は彼を称えてスヴェドベリとなったのです。

遠心分離機とか地味に思うかもしれませんがパンデミックから人類を救いノーベル賞がもらえるほどの大発明であることをこの機に知っておいて下さい。遠心分離機は医学において基本であり奥義なのです。

オーストラリアで簡易版の人工呼吸器「木の肺」を作り多くのポリオ患者を救ったボス博士は、イギリスにいた弟がテオドール・スヴェドベリの超遠心機を送ってきたのを元にして、ポリオウイルスを単離するためにオーストラリア産第1号の超遠心機を製作しました。ボス・エレクトロニクス社の製品になった超遠心機は、アメリカに輸出されます。そして、科学力でも工業力でも後進国と見られて、「オーストラリアの鉄屑」と呼ばれたこの超遠心機によってポリオウイルスの分離が成功し、医学者ジョナス・ソーク博士の手によりポリオワクチンが作られたことで、ポリオは根絶され
ることになりました。ちなみに、「オーストラリアのエジソン」と称されたボス博士は、一般には長男のエドワードのことだと認知されています
が、実態は5人兄弟のユニットで、次男はイギリス、四男はアメリカにいましたo業績を調べると世界中を瞬間移動しているみたいに見えるのは、体が5個あったからです。アメリカから木の肺の作り方を送ってきたのが四男(海賊王マックスの一味)、オーストラリアで量産したのが長男、イギリスで量産したのが次男です。三男はオーストラリア軍で兵器開発、五男は電話会社で世界初のリモートワーク用通信機「ビジテル」を開発して、後にオーストラリア放送協会の幹部になっています。Wikjpediaなどには長男のエドワードに全部の業績がまとまっていますが、5人で「ボス博士」であり、オーストラリアで出版された伝記の題名も「The Both family story」で家族の物語です。
 当時、無名の貧しい医学者だったジョナス・ソーク博士が作ったポリオワクチンの特許は、70億ドルく約7,325億8,500万円)の価値があると試算されたので、世界中が特許の存在に注目しました。博士の記者会見でマスコミが最初にした質問は、特許についででした。ジョナス・ソ一ク博士は「特許は存在しない、太陽に特許は存在しないだろ」と答えましたが、これは善意で特許を取らなかったのではなく、特許を取ろうとして弁護と検討したら特許性のある発明ではないから無理という結論が出て挫折しただけです。新型コロナワクチンの特許は、軽く1兆円を超えそうで恐ろしいことになりそうな気がします。ポリオ・パンデミックで使われた正規の人工呼吸器「鉄の肺」は、当時の価格で1台2,000ドル。その価格の半分が特許料の恐ろしい価格設定のせいで貧乏人が次々と死んで、ブチ切れた海賊王が特許料不払いの海賊版を作ってメーカーを倒産させました。この歴史がまた繰り返されたら笑えません。

ウイルスの増やし方

新型コロナ:ファイザーのワクチン95%有効 数日内に使用申請: 日本経済新聞


 さて、標的となるウイルスが手に入ったら、ワクチンを作るためにウイルスを人工的に増やすのですが、細菌と違って自分で増殖できないので宿主となる生きた細胞を用意してあげる必要があります。生きた人間を使うのは無理なため他の動物を使うしかないのですが、ウイルスは特定の生物の細胞でしか増えません。ではどうするのか…?ここで話が戻ります。人間のウイルスが増える例外的な細胞が、鶏の卵の中にあるのですo有精卵は普通に温めると21日でヒヨコが孵化しますが、人間のウイルスはヒヨコでは増殖しません。卵の中の漿尿膜で囲われた尿膜腔の内部というごく狭い場所で、産まれて温め始めてから11~14日目までのごく短い期間だけで増えるのです。ヒヨコになるとウイルスは死滅してしまい、11日目以前にウイルスを注入しても増えないし、他の場所に注入しても増えません。尿膜腔の中に溜まった漿尿液(しょうにょうえき)は14日目ぐらいが最大で、15mLぐらいになります。

15日目を過ぎると段々と濃縮されて濾少して、孵化する直前に無くなり、その中で増えたウイルスも死滅。そのため、14日目になったら卵
を消毒して殼に穴をあけて吸い出します。吸い出した漿尿液を超遠心機にかけて卵の細胞などを取り除いたウイルス濃縮液が、ワクチンの原料になるのです。さて。そんなワクチンに大きな動きがありました。2020年12月、英米で接種が始まった新型ワクチンは、新技術で作られています。捕まえたウイルスを卵の中で増やす従来と全く異なる、史上初の遺伝情報を活用した「mRNAワクチン」です。このmRNAワクチンは、あらゆる病原体やがん治療や遺伝子治療など応用が超広いのも特徴。今回のコロナ騒動で成功すれば、人類は新しい医療技術を手に入れることができます。そうなれば、特許の価値は1兆円どころか10兆円にまで拡大するでしょう(特許は独BioNTech社・と提携しているファイザーが手に入れた)。災い転じて福となすか、災厄のままか医学の大きな分岐点に来ています。

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